1969年 ザッパによる初期多重録音で作られた微妙な揺らぎのあるアンサンブルや、コラージュノイズ作品

nankado
Nov 20, 2019

Frank Zappa “Meat Light” はUncle Meatアルバムのリマスタとレア音源を合わせたコンピレーションであり ようやく開封してリマスタされたUncle Meatアルバム聴きなおしたが、音質の改善もあいまって あらためて良く出来ている作品であると 見直した

ハイティーンの時分に初めて聴いた時には、音質もバラバラでややとっちらかった作品、という印象があった テリー・ボジオら手練れの演奏で構成されたSheik Yabouti の完成度のほうが好きだった

しかし今のようなコンピュータベースの音楽制作が当たり前になった耳で聴くと、全く気にならないどころか、ローファイ部分も含めて極めてうまくバランスが取れているのが分かる

ザッパ先生、およそ20年後のフル・デジタルのシンクラヴィア打ち込みでは Uncle Meat の路線をさらに洗練させた作品 Jazz From Hell を作っている

フル・デジタル、打ち込み音楽がほとんどなかった1986年頃には、こういったフルデジタルのアルバムのほうが完成度が高いように感じたのだが(実際に完成度は高いのだが) その後テクノがはやり、コンピュータベースのトラックが当たり前のようにあふれる時代になってしまうと、Uncle Meatの初期多重録音で作られた微妙な揺らぎのあるアンサンブルや、コラージュノイズのほうが存在感をいやましてくるのである

なんといってもマルチトラック録音が進化していったのは70年代中盤以後であり、1969年の段階で十以上のトラックの多重録音(なおかつ速度変更によるサンプリング的編集)を行ってここまでの完成度をたたき出したザッパ先生はやはり先駆的だった

こういうよく分からん英語の語りが挿入され、あとに延々とフリージャズ的なセッションが入る構成 (どうもザッパ作品でフリー的な部分はフリーではなく、作曲されたラインもかなり混じっているらしいのだが)

セリフは昔はMSIなどが細かい対訳を提供していて熟読したもので、そういう解説がないとなかなか聴くのが大変だったという面もあった しかし いまある程度ヒアリングできるようになるとそんなにきつくない むしろ計算されたバランスを感じる

Originally published at https://note.com on November 20, 2019.

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nankado

Interested in old Japanese movies, from Tokyo, JAPAN.