ジュディ・シル 夭折したシンガーソングライター

nankado
Nov 1, 2019

ジュディ・シルを知ったのはジム・オルークがリイシューした未発表の3作目「Dreams Come True」の発売であり、ジャケットの肖像画に目を惹かれてのジャケ買いだった あとで調べると、ゲフィンレコードを後に作ったDavid Goffinが71年に立ち上げたAsylumレコードの初期アーティストとしてデビュー 2枚のアルバムを出して消えていた

伝記をみるとハイティーンから二十代にかけて不遇な家庭環境で犯罪にかかわり、服役中に音楽をまなび、出所後美大でピアノを演奏 ミュージシャンとしてのキャリアを開始し、クロスビー&ナッシュの前座をへてゲフィンに出会う

1970年代にはシンガーソングライターというスタイルが流行ったという 職業歌手ではなくアコースティックな素朴な味わいをもって自作曲を演奏するといった感じか アサイラムの同期にはジョニ・ミッチェル リンダ・ロンシュタットや後のイーグルスの面面がある ローラ・ニーロもニアミスしていた キャロル・キングは職業作曲家からシンガーソングライターにスピンアウトしている これらのアーティスト あまりマニアックに聴きこんではいないが ミュージシャンの色が音楽によく現れている

ジュディ・シルは彼らのように大きく売れることなく 2枚のアルバムを出してそのまま消息不明となり、のちにヘロインのオーバードーズで亡くなる 35歳での夭折であった

おそらく服役中の教誨プログラムにからむであろうゴスペル音楽でオルガンを弾き バッハを好み ゴスペル=キリスト教的なイメージがメロディや歌詞にあらわれているが、なんとなくであるがキリスト教的メッセージをこめて歌っているのではなく、自分自身の苦しみ(パッション)を伝えるためにそういったイメージを使っているようだ

すべての曲が「分かる」わけではないが、いくつかの曲は 彼女の伝記を知らなくても どこかしら引っかかるものがある

Originally published at https://note.com on November 1, 2019.

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nankado

Interested in old Japanese movies, from Tokyo, JAPAN.